こんにちは、るんです。
今回はアトピーとは切っても切れないステロイドのお話です。
私はステロイドとは適切に付き合っていくことが必要だと思っています。
脱ステロイドを勧める情報が溢れていますが、
何年もステロイドを使用してきた人がいきなり脱ステロイドに踏み切るのは危険です。
あっという間に人間らしい生活ができなくなり、
仕事や家事はおろか身の回りの事も、
食事・睡眠・排泄もままならなくなります。
すでに年単位でステロイドを使い続けている人が、人間をやめることなくどうやってステロイド減らしていくかをお伝えします。
※一患者としての意見です。
医療従事者ではありません。
今使っているステロイドのランク合ってますか?
日々使っているステロイドのランクは人それぞれだと思いますが、
本当にあなたに合ったランクを使っていますか?
適切なランクとは、適正量使って1週間前後で炎症が治まるランクです。
適正量とは、
人差し指の先から第一関節までの長さのステロイドをチューブからニュッと出して、
それを自分の両手分の面積に伸ばした量です。
塗ってみると意外と多いです。
軟膏であれば塗ったところがテカテカして見えます。
私は過去に何回もやってしまいましたが、
炎症のある部分に薄ーくステロイドを塗って、
炎症は悪化はしないんだけど治りもしないという状態は泥沼に足を踏み入れています。
ステロイドの悪い情報が出回っているので、
1回に使うステロイドの量をできる限り少なくしようとしてしまっていたのです。
これだとずるずるとステロイドの使用期間が伸びてしまって、かえってステロイドの総量が増えます。
上記の量を1週間塗って、炎症が綺麗になるステロイドのランクを使ってください。
それ以下のランクを使うことは、余計に炎症を長引かせて、
ステロイドに頼る期間がそれだけ長くなります。
プロアクティブ療法を知っていますか?
プロアクティブ療法をご存知でしょうか?
私は3〜4年ほど前に初めて知りました。
大人アトピーで長年アトピーと付き合ってきた方は、意外と知らない人が多いのではないかと思います。
従来のアトピーの治療では、「湿疹が悪化して来たら早めにステロイド軟こうを塗って、良くなったらやめる」という方法でした。
しかし、プロアクティブ療法では「定期的にステロイド軟こうを塗ることによって湿疹を悪化させずに、徐々にステロイド軟こうを減らしていく」という方法です。
プロアクティブ療法の大まかなやり方は下記の通りです。
・初めの1~2週間は連日十分量のステロイド軟こうを1日2回使って湿疹を良い状態に導く。
・炎症が落ち着いてきたら1日1回の塗布にする。
・次は1日おきに軟こうを塗る。2~4週間続けて落ち着けば2日おきにする。
・2~4週間続けて落ち着けば3日おきにする。
・同様に4日おき、6日おきへと進む。
・6日おきを数カ月続けて落ち着けば、薬をやめてみて再燃がなければ治療終了とする。
それなりに期間はかかりますが、だらだらと何年も皮膚炎があってかゆい状態よりは、よっぽど希望のある話だと思います。
しかし、プロアクティブ療法にも、弱点はあります。
それは、皮膚炎の本当の原因を突き止めないと、プロアクティブ療法の治療過程が進んでいかないということです。
一過性のストレスや皮膚刺激によって起きた皮膚炎なら、
原因が時とともに消えるのでいいのですが、
日常生活に繰り返し使用しているものや、繰り返し行なっている習慣が原因だと、
ステロイドを使っている時は皮膚炎を抑えられても
1日おき・2日おきと使用頻度を下げていく過程で皮膚炎がぶり返します。
そこで、なぜ皮膚炎が起きてしまったのか、その原因を突き止めて取り除く必要があります。
あなたのアトピーの原因を突き止めていますか?
アトピー性皮膚炎の原因は人によって様々です。
むしろ原因がひとくくりにできないからアトピー(語源はギリシア語の『atopos』。意味は『奇妙な』)と呼ばれているのです。
ですので、1人1人自身の皮膚炎の原因を探す事が必要になります。
ここでは、よくあるいくつかの原因を紹介していきます。
アレルギー検査を受けたことがありますか?
アトピーに悩まされていて、アレルギー検査を受けた事がない方は一度受けてみることをお勧めします。
アレルギー検査は、食べ物もそうですし、ダニ・カビ・動物の毛など様々な種類があります。
また、食物アレルギーには、即時型と遅延型があり、検査も両方あります。
アトピーの方は「即時型は問題なかったけど、遅延型で反応が出た」という方も多いです。
私も乳製品と鶏卵の遅延型アレルギーが陽性ですが、即時型アレルギー検査では反応しませんでした。
しかし、日本では即時型アレルギー検査は保険適応の対象になっているのに対して、遅延型アレルギー検査は保険が適応されないので自費で行う必要があります。
ただ、多少お金はかかってしまいますが、検査で原因がわかれば時間の短縮になりますので、賢く使っていきたいところです。
アレルギー物質がわかれば、それを取り除くか、減感作療法などで過敏な状態を軽減させていく事で皮膚への影響をなくす事ができます。
悪化のきっかけに気づいていますか?
大人になってアトピーで悩まされている方は、これまで幾度となく悪化と改善を繰り返してきたと思います。
過去の悪化の共通点はありますか?
例えば、2日連続でファストフードを食べたとか、毎年ある季節になると悪化するとかです。
また、「最近はずっと悪化した状態で改善しない」ということがあれば、最後に状態が良かったのはいつごろですか?
その後に進学・就職・引っ越しなどの環境変化があった場合、それに起因する症状かもしれません。
例えば、
デスクワークに就いた→長時間同じ姿勢→足や首・肩の皮膚炎がずっと治らない
などです。
今まであまり気にしていなかった方は、これから注意してみることで、原因が見える可能性があります。
悪化した前後の生活を忘れないように記録していくのがおすすめです。
体が冷えていませんか?
体が冷えていると内臓の働きが弱くなります。
体温が1℃上がれば免疫力が5〜6倍になると言われていますが、
裏返すと身体の冷えは身体の不調に直結します。
平熱が35°台の方はまず36°台になるように、いろいろ調べて試してみてください。
冷えは本当に万病の元です。
私は大学生の頃に平熱が35°台でした。
その期間は多忙で、精神的にも荒れていました。
便通も4〜5日に1回でしたし、他の期間ではほとんど引いたことがないのに数ヶ月に1回風邪を引いて高熱で起き上がれませんでした。
そんな状態だったので塗り薬だけでは皮膚炎を抑える事ができず、
ステロイドの内服薬を飲んでいました。
平熱が36°台の方も、部分的な冷えが体に悪さをしている可能性があります。
部分的な冷えがあると、その部分の血行が悪くなり老廃物が溜まってしまうなどして炎症が起こるのです。
家庭では脇で測る体温計が一般的ですが、
例えば冬の寒い朝に、脇とかじかむ手が同じ温度な訳ありません。
今皮膚炎が起こっている部位は、他の部位よりも熱を保ちにくい部位かもしれません。
身体の熱は内臓で作られている他に、筋肉を動かすことでも作られます。
炎症が起こっている部位は普段から運動が疎かになっている部位かもしれません。
つまり、冷えを無くしていくために、運動をしましょう!
激しい運動でなくても、お散歩とかラジオ体操とかでも効果があります。
毒素をすすんで取り入れていませんか?
皮膚は老廃物の排出器官です。
排泄と聞くと便と尿ですが、汗も体全体の約3%の老廃物を排出しています。
便や尿として排出しきれなかった老廃物・毒素は皮膚から出ようとします。
体に取り入れる毒素は、排出される毒素よりも少なくないと、アトピーは良くなっていきません。
取り入れる毒素 < 排出する毒素 → ○
取り入れる毒素 > 排出する毒素 → ×
取り入れる毒素 = 排出する毒素 → △
そして残念なことに、日本には毒素が溢れています。
普通に生活していたら、毒素を永遠に取り込む人生です。
日本は、安心・安全の国ではありません。
そう思わされてしまっているだけです。
理由は長くなるので割愛しますが、気になる方は調べて見てください。
手始めに『スーパーサイズ・ミー』や『フードインク』といった映画を観るところから始めるのもいいかもしれません。
アトピーやアレルギー・喘息などは化学物質に反応して症状が出ているという説もあります。
ですので、知識をつけて選び取る力が必要になります。
ここで言っている毒素とは次のようなものです。
食品添加物(食塩と白砂糖を含む)
農薬
粗悪な油
塩素
合成界面活性剤
その他化学物質
まだまだたくさんありますが、全部いっぺんに変えること難しいので、
1つずつ知識を付けながら、より毒素が少ないものを選びとっていきましょう。
まとめ
適切にステロイドを使い、皮膚炎の原因を取り除けば、
時間はかかりますが徐々に薬のいらない体になれます。
薬を必要としない体質になるまで「原因を取り除き続ける」ことが実は難所だったりしますが、
今まで即効性を求め、原因を放置してきた期間が長いほど、ステロイドをやめるには時間がかります。
これは今、私が切実に実感していることです。
地道に頑張っていきましょう。
以上、『ステロイドではアトピーは治らない?!ステロイドとの正しい付き合い方を知っていますか?』でした。